この号に付属していたギアボックスには、多くのギアが内蔵されていました。 それぞれのギアの歯の数と伝達経路は、以下の図のようになっています。
私の計算に間違いが無ければ、 モータからアクチュエータまで約660倍の減速比になっています。 ほとんどの伝達が歯車で行われている中で、 二箇所だけ歯車では無いところがあります。
モータから直接動力を取り出す部分には、 プーリーによるベルトドライブが使用されています。
ベルトを使うと、ベルトのスリップによって、エネルギーロスが発生します。 このため、動力の伝達手段としては良くないのですが、 ここでベルトが使用されているのには、二つほど理由がありそうです。
どちらも、組み立てキットならではの発想ですね。
このギアボックスの出力(アクチュエータ)に近い所に、 クラッチが入っています。
二つの白い歯車ががっちりとかみ合っているのがわかります。 歯車の右にある金属で出来た部品は、 この歯車をがっちりとかみ合わせるためについているばねです。 このクラッチ機構は、二つの歯車の間に「大きな力」がかかるとバネがゆるみ、 二つの歯車が空回りを始めます。 「大きな力」とは何かというと、 外からロボットの首を無理やり動かそうとする力です。 もし、クラッチ機構が無かった場合は、 歯車に直接力が加わるため、歯車が破損してしまいます。 子供向けのおもちゃには必須の機構です。
ロボットの首の位置は、 オプチカルエンコーダによって検出されます。
つまり、オプチカルエンコーダによって首振り角度は決まります。 アクチュエータとオプチカルエンコーダは、 40Tと8Tの歯車で接続されているため、 オプチカルエンコーダの回転角度の5分の1の角度しか首を 振ることはできません。 オプチカルエンコーダのスリットは、150度の範囲に広がっているため、 ロボットの首振り角度は、約30度が限界という計算になります。
2005-11-29 動力伝達図の表現を埋め込みSVGに変更した。
2006-10-12 XHTML書式に対応した。